浅草行ったよ(芝居の巻2)

閉園後の花やしきは昼間の賑わいとはうって変わって…ということは全くなく人で蠢いとりました。下手すると平日なんかよりずっと賑わってたのかも。
とはいえ夜の闇にライティングされた花やしきはキレイでしたね。たぶん昼間行っても情緒の欠片もないんだろうけど(笑)。想像以上に狭い。
4つのゾーンに分かれていて観客は好きな席に座っていいし、園内の階段や二階ベランダで立ち見してもいいらしい…と聞いてはいたのですが既に大半の席は埋まってました。園内を一周して不思議に思ったのはステージらしきものがあるのはDゾーンのみ。それ以外はどこで芝居が演じられるのか想像がつかず、Dゾーンに席を決めました。背もたれがある椅子が残ってるのもそこだけだったし。
開演の前からあちこちでダンスやジャグリング等のパフォーマンスは始まっていて、無理矢理ステージに連れて行かれて踊らされるお客さんとか10年近く芝居を観ていて初めての不思議な経験でしたね。見上げると月が見えるし。
ちなみに開演前にずっと場内アナウンスが流れてて担当したたのは鈴置洋孝関俊彦さんでした。
で、いざ芝居が始まると当然ステージ上で繰り広げられると思っていた芝居が行われない。遊園地の通路部分で普通に演技が行われていて…。
ステージと客席が同じ高さなんですね。しかもどこからどこまでが舞台という境界線も引かれていない。
となると他のゾーンにステージがなかったのは当然で、そもそもステージ自体がなかったと。Dゾーンに小さいステージがあったのはもともと花やしきにそういうものがあっただけで端からそこで芝居をやるつもりはなかったんですね(ステージ部分も少し使われていたけどメインではない)。
円形舞台や稽古場での公演という経験があったとはいえ、ここまで自由度の高い芝居を見たのは初めてです。芝居はステージ上で行われるものという固定観念を持っていた自分が恥ずかしくなります。
CゾーンとDゾーンの中間地点付近で演技がされていたりすると席によっては役者の姿は見えず声だけが聞こえてきたり、花やしきの空中自転車(とでもいうのかな)を使用したり、園内を自転車で暴走してみたり(面白そう)と、遊園地という空間を巧みに使った演出が繰り広げられてました。
と、こう書いていると大変な実験劇を想像されるかもしれません(自分もそう思ってたし、人に話すといぶかしがられた)が内容自体は実験でもなんでもないです。6つのオムニバス劇が微妙にクロスしながら4つのゾーンをめぐっていくという構成で。
何気ないどこにでもありそうな日常風景が進むに連れて意外な一面を見せていく話が多かったですかね(その逆もあったけど)。ちょっぴりほんわかしたりしんみりしたり。
構成演出の桑原裕子さんはPS2の金八ゲームのシナリオの一部も担当されているんですね。ムック本買って満足してたのですがゲームもやらないと…。で、自分と同い年なんですねぇ………ハァ。
自分の席は遠目に他のゾーンも見れる席だったので、向こうでは同じ話が別のアトラクションを舞台装置として演じられていて気になりまくりで。あちこちから声も聞こえてくるし、同じ話が別の場所ではどう演じられているのだろうかと興味は募れど千秋楽だったのでもう一度観るチャンスはなく、舞台を勧めてくれた人が何度も観に行くと言った意味が分かったのでした。

最近の自分はDVDやTV放送で演劇を観たつもりになっていたのですが、芝居は生で観ないと伝わって来ない魅力が確実にあると再確認させられました。この公演の初演版のDVDが売られているけど、これは実際に行った人の思い出用であっていきなり見ても魅力は伝わらないはずです。それは他の演劇DVDに関しても言えることだけれど。
自分が観る芝居はプロデュース公演が多いのでこの時代にわざわざ劇団でやる意味も納得できましたし。いい結束力でした。アニメは集団作業といっても間接的な作業の繋がりが多いので一致団結してもの作りをしている現場を見ると羨ましく感じることがあります(それはそれで大変なこともあるのでしょうが)
久しぶりに充実した演劇体験を味わって非常に満足しています。他のアングルからも観てみたいので出来れば再演をお願いしたいですね。絶対行きます!


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